姉の死 vol.24

前回も書いたけど、今回の姉の一件では幾つもの運命の輪というか

偶然とは言えない、運命に紐づけられたことがあるのだが

そのうちの一番大きな運命の輪である、この日のホテル選び。

 

元々はA県の中心の駅前のシティホテルに私の宿を取ってくださる予定だった。

夜、私をA駅前のシティホテルに送っていただいたら

翌朝自分のタイミングでチェックアウトして新幹線で帰るという段取りで。

なので本来ならこの日送っていただいて「じゃあ次回は四十九日に」

となるはずだったのだ。

 

だが、この日A県でG20会議が開催されたため、A駅前のシティホテルや

その他A駅付近のホテルは全く取れなかったそうだ。

そこでX氏は他のホテルを取り、翌朝私を迎えに来てA駅まで送ってくださると。

 

車は高速に乗った。

えー、どこまで行くんだ?そんな遠く?

ぶっちゃけちょっと疲れてるから某市駅付近とかで良かったのに、

明日の朝もひとりで電車乗ってA駅に行って勝手に帰るのになーなんて考えた。

 

高速を20分くらい走っただろうか、標識にウチのホテルの支店がある地名が見えた。

ああ、こんな遠かったんだと思った。

そこを通り過ぎさらに進んで、とある出口で高速を下りた。

 

この辺りで、車中で昔話をしており、30年近く前に某市に家族旅行に来た話をした。

どこかの山の山頂に行って、中腹にある遊園地へ行った思い出。

すると「この山にも遊園地がありますよ」と返事。

立って乗るジェットコースターに乗った思い出話をした。

P氏「ここ、立って乗るジェットコースターありますよ、ここじゃないですか」と。

 

山に向かって車を進めると、本当に30年近く前に家族旅行で訪れた

山の中腹の遊園地が見えた。

うわーうわー、なんという偶然。

まさかあの日あの時皆で来た場所にまた来れるなんて。

 

ホテルは、遊園地の横の大きなレジャーホテルだった。

テルマンの私がワクワクするような大きなホテルだ。

 

こんな悲しい用事で来るんだからホテルは良いところを、という

X氏のお心遣いだったようだ。

ちなみにこの後も何度かX氏がホテルを手配してくださるのだが

それはそれは素敵なホテルに泊まらせていただいている。

 

このホテルで私を下ろし、おふたりはこのままうどん県へ帰るとのこと。

P氏とは玄関先で別れ、X氏がフロントへ付き添ってくださった。

私が宿泊者カードを書いてる間に支払いを済ませてくださった。

こんなホテル、一体どんだけ高いんだ……。

朝食は普段食べないのだが、X氏のお心遣いで頼むことにした。

朝食は時間指定があり、なるべく遅めの時間を選んだ。

翌朝10時にX氏とロビーで待ち合わせとなり、X氏ともここで一旦お別れ。

 

やたらと広い館内を歩き、5階の部屋に入った。

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ツイン1名利用だよ。そんな贅沢させてもらうなんて。

オーシャンビューだよ、しかも5階だから結構ハイクラス部屋でしょ。

私も一応ホテルマン、お心遣いが染み入る。

 

せっかくなので大浴場も利用した。

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(拾い画像)眺めが良くライティングが素敵な展望露天風呂だったが

他のお客さんの話し声がちょっとうるさかったので

あまり長風呂しないうちに退散。

 

ホテルに着いたのが22時前くらいだったかな、

そしてお風呂を済ませたら割と遅めの時間になった気がする。

さっさと寝たかったのだが、隣の部屋が異様にうるさくて

大変申し訳ないがフロントに電話して注意を促し、就寝。

 

ちなみに「最大の運命の輪」はホテルが思い出の場所という話ではなくて

(それもひとつあるけど)

「翌日、X氏が迎えに来て駅まで送ってくれたこと」である。

なぜそうなのかという話は、まだまだ先。