姉の死 Vol.69

このタグをつけるのが相応しいかどうかわからないけどX氏のことなど。

 

3回目の姉の命日が近づいてきた。

 

……の前に、5月の話。

ここ2年、父の日母の日にはX氏から私の両親へ、でっかいお花が届いた。

2~3万のアレンジメントを花キューピッドに手配するところに

私も立ち会ったことがある。

それだけでなく、両親の誕生日には贈り物があった。

糖尿の母にはスイーツが贈れないので、京都の有名なお漬物など。

 

今年の5月下旬、実家に行った時のこと。

きっとX氏から母の日に贈られたでっかい花のアレンジメントが

リビングに飾ってあるだろうなーと

そんなことを想像しつつ実家を訪ねると、花が見当たらない。

タイミングを見計らって、母に「今年の母の日は何か届いたか?」と訊いた。

 

すると母は

「朝から待っていたけど、何も来なかった」と哀しそうに答えた。

 

ああー、朝から待つほど楽しみにしてたのか。

そしてX氏はもう贈ってくれなかったか。

 

花とかモノが欲しかったわけではないだろうが

母はX氏からのコンタクトを待っていたんだろう。

そしてそのお礼のやり取りをしたかったんだろう。

 

そして数日前。

訳有って息子がX氏とやり取りをしているのだが

X氏からこんな返信があったと、私に見せてきた。

 

それを見て確信した。

「X氏は、もうウチとの縁を切りたがっているんだろう」と。

 

そりゃそうだよな、X氏だってこれからの人生

ウチに義理立てする必要はこれっぽっちも無いし

姉のことは忘れて前向きに生きて欲しいとウチは皆願っている。

大体、我が家にとっては赤の他人。

 

でも、X氏はウチにとって必要な人間だ。

両親にとってはとても信頼できる人物で

父が他人と話すのにあんなに雄弁になるの初めて見たし

母なんてX氏にメロメロだ。

これから先どんどん老いていく両親の面倒を私ひとりで見るのに

正直、X氏にいろいろ助けて欲しいと思っている。

まあ、何かあったらきっと助けてはくれるんだろうけど

でも基本的には、こちらからコンタクト取らない限り

X氏の方からは何もしないというスタンスにしたいんだろう。

 

もしコロナ禍が無ければどうなっていたかなあ。

コロナが無ければ、ウチを訪問するのを突然終わらせることもなかっただろうし

X氏の仕事環境も激変せずに済んだだろう。

X氏のフェードアウトも、もっとゆっくり何年もかけて行われたかな。

 

とりあえず来月の姉の命日には

「両親と墓参りしたよ」って連絡はするつもり。

年明けには年賀の挨拶と「遊びに来てね」とか書いて

その返事次第で4月の彼の誕生日のメッセージをどうするか考えよう。

 

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奇遇にも、2年前の今日X氏が来訪した写真が出てきた。

 

コロナ禍で半年以上ウチに来れなくて、久しぶりに来てくれた時

父が「彼に見せたい」と彼岸花で有名な神社に行った時の写真。

父がそんな風に言うなんて随分心を許したんだなと思ったもんだ。

すごく天気が良くて(というかX氏来訪時はなぜかいつも天気)

近所の滝にも行って、X氏が

「山口の空は(空気、って言ったかも?)こんなに美しいんだ」って言ってた。

リップサービスなのか本心なのかは不明。