姉の死 vol.25

そういや書いてなかったかも、私とX氏には不思議な共通点がある。

それは名前、下の名前だ。

私はとても平凡でありふれた名なのだが、漢字は一般的でなく

あまり使われない漢字で書く。当て字ではないし読み間違いはされないが

その名前でその漢字はあまり見かけないね、という字。

この漢字では芸能人でマイナー含め2人くらい知ってるかな、

男性でもX氏以外でこの漢字を使うのはスポーツで見たことある、という程度。

その字が、X氏の名前にも入っているのだ。

例えば「ひろこ」「ひろし」という名前だとすると

一般的な「宏」とか「博」とか「浩」という漢字ではなくて

「比呂」や「紘」の字が使われる、みたいな。

きっと生前姉はX氏と「妹と同じ漢字だね」という話はしているだろう。

不思議な縁だ。

 

さて、話の続き。

朝を迎えて窓を開けると、曇っていたけどきれいな景色が見えた。

オーシャンビューで部屋からも瀬戸大橋が一望できる。

廊下に出ると、窓から思い出の遊園地が見えた。

うわーうわー、あの時の遊園地だ。

f:id:dahlie:20201002125640j:plain

感激して写真を撮ったが、この写真を

「あの時旅行で行った遊園地だよ」と両親に見せる機会なんて来るのかどうか。

 

朝食会場へ。

なんか豪華な朝食っぽいなー。

どこから何を選ぶのかよくわかんないまま、パンケーキにソーセージなど適当に。

最初、でっかいボウルいっぱいのサラダが来た。

これだけで腹一杯になるじゃん、と思いつつ間食した頃

えっらい本格的な朝食パンケーキが。

いわゆるおやつでスイーツなパンケーキではなく、本格的なやつ。

ペタッとしてどちらかというとクレープに近い感じの。

ホテルでしか出ないような本格朝食パンケーキなんて初めて食べたホテルマンの私。

 

ここの窓からもきれいな景色が見える。

f:id:dahlie:20201002130248j:plain

 

昨日姉んちでいただいたハンドバッグがキャリーに入らないので

その他荷物も段ボールに入れ、宅配を出しにフロントへ行ったのだが

うっかり部屋のスリッパでフロントに来ちゃったよ。

それが恥ずかしいクラスのホテルだ、とホテルマンの私は思った。

 

予定では、この日はてっきりひとりで勝手に帰るだけだと思ってたので

ラクさ最優先でみっともないくらいラフな服装しか持ってなかった。

最初から知ってたらもうちょっとマシな服持ってきてたのにな。

 

9時50分、チェックアウトを済ませ待ち合わせ場所のロビーへ。

X氏は既に到着していた。