姉の死 vol.64

X氏は、花屋に寄って欲しいと言う。

さっき昼食の時に10月12日が父の誕生日だという話が出て

お花の手配をしようと言ってくださった。

「この辺りで一番近い花屋……」と考えてる私に、X氏は

「知ってる花屋があるから」とネットで店名を検索し、電話をかけていた。

途中電話を代わってお店の場所を訊く。

ウチから車で5分程度のところだ、なんとなくわかる。

 

母の日に、この店に電話してお花の手配をしてくれたそうな。

その時のエピソードを聞いた。

X氏が「3万円でアレンジメントを作ってください」と言うと

お店は「ここは山口県です」と返事をされたとか。

山口県ではそんな金額でアレンジメント作ることなんて無いよ、ってことらしい。

馬鹿正直なお店だなあ、ボッタクリできるのにしないんだ。良い店じゃないか。

さらに「ひまわりで作ってください」というと

お店は「ひまわりはもっと安いです」と。

結局、花屋の提示した金額は1万か1万5000円になったと。

 

花屋に到着。

やっぱり私がここかなと思ってたとこだった。

 

中には明るい女性の店員さん(店主さんかも)がいらっしゃった。

あれこれ話ながら、X氏は「1万5000円で」とポーンと太っ腹注文。

その価格なら胡蝶蘭にされたらどうですかと言われたものの

でっかいアレンジメントが良いとX氏。

 

受け取り時に在宅でないと困るだろうから、一応母に後から電話で言っておいた。

どんなでっかいお花が届くのだろうか。