姉の死 vol.65

車の中で聞いた話。

P氏が、鬱を患っているそうな。

いつからかと聞いたら、以前(10年以上前)から少し兆候はあったが

酷くなったのはここ1年くらいで、今は全然起きられず会社も休んでるとのこと。

偽名で隣県の心療内科にかかってるそうで、その理由は

「娘が結婚する時に調べられて、父親が鬱だと知られて破談になったらイヤだから」と。

普通病院は守秘義務あるし、そこまで気を遣うなんて。

 

姉の件を目の当たりにさせてしまったからな。

尚更引き摺られるかもしれない。

 

私もそうだが、X氏も姉が亡くなって以来、死に対する感覚が変化した。

 

「とにかくちょっとでも喋らせなければ」とX氏は車の中でP氏に電話した。

 

X氏にとっては、某市で最初に弔ってくれたお寺さんを信頼する気持ちがあり

きっと、ウチの菩提寺さんの言葉はあまり胸に刺さってないんだと思う。

私も、最初間違えたとはいえあのお寺につけていただいたホウミョウは

大事にしていきたいと考えている。

その辺りをP氏には予め相談してたようで、何か打つ手は無いかと話してたらしい。

 

P氏は骨壺の中に、最初に戴いたホウミョウを書いた紙を入れてはどうかと提案。

結構無茶な話ではある。信心深い人が聞いたら激怒するかな。

でも、X氏も私も「それいいじゃん」って雰囲気になった。

今の宗派のバチは当たらないのかと訊いたら「同じ仏教だからOK」とのこと。

(そうかいなーー????)

 

私は元々、信仰心が薄い。

仏教そのものに対してよりも、やれ宗派だなんだとかホンマかいなと思っている。

なので、私の気持ち的には全然OKだ。

X氏も、やってしまおうかと企んでるっぽい。

 

やるとしたらX氏が来訪した時、ウチに行く前にふたりでお墓に寄って

コッソリお墓を開けて骨壺を取り出して紙を入れるだけ。

ウチからの帰り道だと暗くなるだろうから先にお墓に寄った方がいいかな。

問題は、母に言うかどうかだ。

まだそこは相談してないけど、言う必要もないかと私は思っている。

 

2度目にP氏にかける電話は、途中で私に代わるから

なんとか(鬱とは知らない風で)P氏を褒めてやってくれと頼まれた。

私はP氏と「紙を骨壺へ作戦」の詳しい話を聞いて

「Pさんと久しぶりにお話できて嬉しかったです」「Pさんと話すと安心しました」

「Pさんの話ぶりとか本当にかっこいいし(これは本当に思ってる)」と

どうにか褒める言葉も会話に差し込むことができた。

電話を代わったX氏は「Pの声が元気になってる」と言ってくれたが

本当に、少しでもP氏が元気を取り戻してくれると良いけれど。

 

ところで、P氏の肩書は「社長室 室長」だそうな。

初めて会った時に私が秘書さんだと勘違いしたのは

あながち間違いではなかったかもしれないな。

室長の部下に2名いるそうな。

ってことは社長X氏は3人にお世話されてる?ということ。

どんだけ大きい会社やねん。

 

その後、車の中で私の息子の話。

 

次は来週、私が大阪へ向かう。