姉の死 vol.53

このディナークルーズは、X氏と生前の姉がよく利用してたとのこと。

まさかこの場所に、半年前はまるで知らなかった

私と私の息子と一緒に来ることになるとは。

縁というのは恐ろしいものだと思う。

 

私がチェックインし客室に荷物を置きに行く間に

ディナークルーズのチケットを買ってくださったようだが

後から息子に聞いたところ、躊躇なく一番高いコースを3名分買ってくれたそうな。

 

時間になり、船内へ入る。

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歩きながら撮ったのでブレブレだけど、豪華な階段を上がる。

 

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豪華なカウンターの横を通って、席へ案内された。

 

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案内された席は、入口を入ってすぐの席だった。

あれ、奥じゃなくて手前側の席なの?もっと良席ではないの?と思ったが

クルーズが終わって気づくと、この席が一番景色の良い特等席だった。

だよな、一番高いコースだから一番の特等席だよな。

 

料理は、量はさほど多くないけど本当に美味しかった。

そして船内での提供だというのに、温かさがちょうど良い。

スープなど熱過ぎずぬる過ぎず、ベストなタイミングで運ばれてくる。

 

食事中の写真は撮ってないけど、唯一息子が撮ったデザート写真。

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さすがiphone、キレイだな。

 

メインが運ばれた頃、カメラマンが各席を回って記念写真を撮るサービスが来た。

X氏と私と息子で写真を撮ると「次は2人で撮ってあげて」と

私と息子での写真も撮るよう指示してくださった。

セコい話だけど、こういう写真1枚だけでもお値段はそれなりにするのに

本当に有難い。

写真は2枚とも私が持ち帰り、スキャンしてLINEで送った。

 

食事が終わって、外に出ようという話になった。

ボーイさんに何時頃出るのが一番いいかと尋ねたところ

20時ちょうどに明石大橋のライトアップが七色に変わるから

その瞬間はお勧めだと耳寄り情報を得た。

 

甲板へ出る。

夜の海、流れる夜景を見ながらそれぞれがいろんなことを思っただろう。

3人で夢のように楽しいディナークルーズ

ここに姉もいて4人でいられたらどんなに楽しかっただろう。

 

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息子撮影、明石大橋の下をくぐるところ。

 

息子は、絶対またここに来たいと言った。

頑張ってこういうところで食事できるようになりたいと。

 

……が、この日からわずか5日後、

ルミナス神戸はコロナ禍のあおりを受けて倒産したというニュースが飛び込んできた。

 

何らかの救済措置が取られるのか

それとも他の会社が買い取ったりして再開するかは知らない。

だが、もしかしたらもう二度と乗れないかもしれない。

この日に乗っていなければもう一生乗れなかっただろう。

このタイミングでこの船に乗ったこと、それも運命の輪だった。

 

翌朝のチェックアウトは12時とのこと。

ホテル、太っ腹だなあー。

それに合わせてX氏と息子とロビーで待ち合わせと決め、この日は解散。

客室の広々としたユニットバスに身を沈め、快適に就寝。

 

……やっぱ私、レジャーホテルよりシティホテルの方が嬉しいわ(笑)。