このディナークルーズは、X氏と生前の姉がよく利用してたとのこと。
まさかこの場所に、半年前はまるで知らなかった
私と私の息子と一緒に来ることになるとは。
縁というのは恐ろしいものだと思う。
私がチェックインし客室に荷物を置きに行く間に
ディナークルーズのチケットを買ってくださったようだが
後から息子に聞いたところ、躊躇なく一番高いコースを3名分買ってくれたそうな。
時間になり、船内へ入る。
歩きながら撮ったのでブレブレだけど、豪華な階段を上がる。
豪華なカウンターの横を通って、席へ案内された。
案内された席は、入口を入ってすぐの席だった。
あれ、奥じゃなくて手前側の席なの?もっと良席ではないの?と思ったが
クルーズが終わって気づくと、この席が一番景色の良い特等席だった。
だよな、一番高いコースだから一番の特等席だよな。
料理は、量はさほど多くないけど本当に美味しかった。
そして船内での提供だというのに、温かさがちょうど良い。
スープなど熱過ぎずぬる過ぎず、ベストなタイミングで運ばれてくる。
食事中の写真は撮ってないけど、唯一息子が撮ったデザート写真。
さすがiphone、キレイだな。
メインが運ばれた頃、カメラマンが各席を回って記念写真を撮るサービスが来た。
X氏と私と息子で写真を撮ると「次は2人で撮ってあげて」と
私と息子での写真も撮るよう指示してくださった。
セコい話だけど、こういう写真1枚だけでもお値段はそれなりにするのに
本当に有難い。
写真は2枚とも私が持ち帰り、スキャンしてLINEで送った。
食事が終わって、外に出ようという話になった。
ボーイさんに何時頃出るのが一番いいかと尋ねたところ
20時ちょうどに明石大橋のライトアップが七色に変わるから
その瞬間はお勧めだと耳寄り情報を得た。
甲板へ出る。
夜の海、流れる夜景を見ながらそれぞれがいろんなことを思っただろう。
3人で夢のように楽しいディナークルーズ、
ここに姉もいて4人でいられたらどんなに楽しかっただろう。
息子撮影、明石大橋の下をくぐるところ。
息子は、絶対またここに来たいと言った。
頑張ってこういうところで食事できるようになりたいと。
……が、この日からわずか5日後、
ルミナス神戸はコロナ禍のあおりを受けて倒産したというニュースが飛び込んできた。
何らかの救済措置が取られるのか
それとも他の会社が買い取ったりして再開するかは知らない。
だが、もしかしたらもう二度と乗れないかもしれない。
この日に乗っていなければもう一生乗れなかっただろう。
このタイミングでこの船に乗ったこと、それも運命の輪だった。
翌朝のチェックアウトは12時とのこと。
ホテル、太っ腹だなあー。
それに合わせてX氏と息子とロビーで待ち合わせと決め、この日は解散。
客室の広々としたユニットバスに身を沈め、快適に就寝。
……やっぱ私、レジャーホテルよりシティホテルの方が嬉しいわ(笑)。