墓参りと靴崩壊の話

山口に住んでいて兵庫の山奥に墓があるというのは、非常に不便だった。

交通費がかかるから私が子どもの頃は一緒に連れてってもらえなかったし

私が大人になってから、山口→島根→大阪→篠山を往復という

無謀な墓参り旅行を日帰りで決行したこともあったし。

 

祖母が他界し篠山の墓に納骨されることになったのは

今から10年前?息子が高1?の5月、ってことは私は40代半ばか。

 

祖母の骨壺と両親と私とで新幹線で豊中の親戚宅へ行き、翌日親戚皆で

車で篠山へ納骨へ行った。

その時、お墓へ向かう直前だったか、それとも納骨を済ませた後だったか

私の履いてた靴底が、べろーーんぱかーんと壊れたのだった。

たまたまお土産屋さんにいたのでレジの方に事情を説明して

梱包用のテープを分けていただいてテープグルグル巻きで応急処置。

まあ、経年劣化したとこに前日豊中の街を歩き回ったので寿命だったのかな。

新大阪まで車で送ってもらってそこから新幹線で帰ったので

不格好でも買い換えるほどではなかった。

 

そしてその夏、息子のオープンキャンパスに同行して宝塚に泊まり

2日目は私ひとりで篠山を訪れ、墓参りした。

墓掃除を終えて帰ろうかという時、その時穿いていた

キャタビラー底のサンダルが、突然崩壊した。

まさに文字通り崩壊、底がボロボロと崩れた。

考えられるのは、キャタピラーの隙間に小石が入り込んだ?

もう本当にびっくりして、どうしようどうしようと考えて

近くのホームセンターに行き修繕を試みた。

アロンアルフア的なものでくっつけようにもうまく行かずに

結局梱包テープでぐるぐる巻きにして処置。

歩きやすいサンダルで旅行中の活躍を期待してたのになあ。

ホムセンのトイレの中でアロンアルフアやボンドと格闘したので

シンナー吸い過ぎて帰り道で具合悪くなるし、散々でしたわよ。

サンダルも買い換えなきゃではあったんだけど、手頃なのが無くて

テープグルグル巻きのまま旅行中過ごしたような気がする。

 

そしてその後、息子が高2の12月。

部活の全国大会が大阪で開催されることになり

私も応援……にかこつけて墓参り旅行することに。

この時は豊中在住の叔母と梅田で待ち合わせて一緒に篠山行ったんだっけな。

墓参り中は何も起こらなかったけど、その後靴(ブーツ)に違和感が……。

片方の踵の部材が崩壊しておる!道理で歩きにくかったわけだ。

 

夏のサンダルにしても今回のブーツにしても、そんなに古いものではない。

そこそこ新しくて、そして物凄い安物というほどでもないモノだ。

それなのに、行く度に立て続けで靴が崩壊する……。

 

これはもうお祖父ちゃんお祖母ちゃんからのメッセージだろう。

私が足に大きな怪我を負うところを、靴を身代わりにしてくれたんだ。

気をつけなさい、というメッセージだったんだろう。

 

この後、息子が西宮で暮らすようになってからそこを拠点に墓参りに行ったけど

靴崩壊はあれ以降は起こっていない。

 

そして、墓が遠方にあるとあまりに不便だしウチの両親が入れないってことで

篠山から山口へ墓を移転したのが数年前。

おかげでしょっちゅう墓参りに行けるようになったし

本人が望んだかどうかは不明だが姉の遺骨をここに入れることも出来た。

いずれ両親もここへ入るから私は今後もマメに墓参りできる。

 

そして私は?

このままだと嫁ぎ先の墓に入ることになるんだろうけどそれがイヤで

こっちの実家の墓に入りたいんだがなあ。

そうじゃなきゃ海に散骨して欲しいなあ。

今から遺言なり残しておかないとな。