姉の死 vol.58

某市の姉とX氏の家に到着、L氏とも再会。

 

遺品整理とお掃除に来たつもりなんだけど

X氏が遠慮して掃除はさせてもらえないし

ちょっと動いたらX氏が「おふくろ休め」と言うし

ほとんど全部P氏とL氏が働いてくださった。

母が自分の手で片付けると拘っていた姉の下着類は

X氏が事前に処分をされていた。

 

それにしても、P氏L氏はX氏の幼馴染で現在はX氏の会社の部下とのことだけど

ってことは、X氏のご家族のことも存じておられるってことだよな。

今この状況って「愛人の母親と娘がブランド品をごっそり持って帰ります」なので

なんかもう恥ずかしいというか恐縮というか。

 

荷物がとんでもなく多いのでP氏とL氏は

特大ダンボールを幾つも買って準備してくださってた。

それに、姉の洋服とかボンボン突っ込む。

私は洗面台にある化粧品が欲しかったのでそれもじゃんじゃん突っ込む。

とんでもなく重くて持ち上げられないほどの段ボール10箱以上

P氏とL氏が階下に運んで車に積んでくださった。

 

途中、昼食。

前日に作ったお弁当はすっかり固くなって(特に唐揚げ)た。

誰かが「ちらし寿司が同じ味!」と言ってたが

そりゃそうだ、すし太郎だから。

うずらの卵とポークビッツとキュウリをピックに刺したものは

ちょっと可愛らしく見えるのか、

「うわー」って言いながら食べてもらえた。

 

葬儀コーディネーター1級のP氏から、いろんな話を聞いた。

その中で「彼岸の反対はナントカ(忘れた)って言うんですよ」と言われた時

母が「どんな字(漢字)を書くんですか?」と尋ねたのだが

P氏はこの発言に、えらく驚き感動していた。

こんなこと聞かれたのは初めてだと言っていた。

 

荷物はL氏が運転するバンに乗せ、車2台で携帯ショップへ行った。

姉は携帯代と電気代ともうひとつ何かの公共料金を

まとめて携帯代で支払ってたそうで、その解約。

私とP氏で行おうとした解約はかなり大変だった。

死亡届や死体検案書を提出してもまだ確認事項があり

母と一緒に車で待ってたX氏にも来てもらった。

 

長時間の末、どうにか解約手続き終了。

P氏とL氏とはここで別れ、私たちはA駅へ送ってもらう。

 

A駅傍のシティホテルの1階ラウンジでお茶とケーキ。

テルマンの私、このホテルの美しさに感激。

8年前に姉と一緒に行ったここのフレンチレストランにまた行きたかったけど

もうその機会は無さそうだ、残念。

 

X氏がまたもやグリーン車の切符を買ってくれた。

ここで「またね」の挨拶をした時、私はX氏に

「私たちは家族なんだから」と言った。母も同意した。

 

帰りの新幹線も

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貸し切り!しかもグリーン車貸し切り。

 

後日、宅配でウチに届いた姉の荷物は特大ダンボール15箱+α。

まずは母が使うものを選りすぐり、残りは全て私の自宅に持ち帰った。

洋服はサイズが合わないので私が相当頑張って痩せない限り着られない。

ブランドバッグは機能面でイマイチなので日常使いは出来ない。

今はケースに入れてそのままにしている。

 X氏は、姉の遺品を私と母に使ってもらうのは大歓迎だが

例えばそれを従妹とかに渡すとなると

それよりは空に還したいと言ってたので

親戚に形見分けはしない。

なので使わなきゃそのまま仕舞い込んでるだけになるんだけど

それでいいのかなあ。

ちなみに、母からは売っても良い許可は下りている(笑)。

 

その荷物運びで実家に行った時、母が

P氏とL氏に大変お世話になったのでお礼の品を送るという。

市内の老舗お菓子屋さんへ行き、お菓子を見繕って発送してもらった。

そのお店の奥には喫茶コーナーがあり、奥の庭園が美しい。

こんなところがあったんだ、今度お客さん連れて来られるねと話した。

「そうだね、今度X氏を」と、母は当然のように言った。

母にとってはX氏は特別な人なのだ。