姉の死 vol.59

一周忌までに頑張って書き続ける連載、遂に60回に近づく。

この分なら明日の一周忌までに話が追いつくかもしれない。

 

さて、4月12日にX氏とA県で別れて以来、

次に会えるのはずっとずっと先になる。

こんなに会えないとは予想だにしていなかった。

 

4月27日はX氏の誕生日で、是非うちでお祝いをと言ってたのだが

新型コロナウイルスを両親の元へ持ち込んではいけないと遠慮された。

これから先も、X氏は両親にコロナを持ち込まないように、

両親は移動の際にX氏がコロナに罹ると大変だと

双方が遠慮することになる。

 

私の方は時折、連絡を交わしていた。

X氏がコロナ対策の商品を大急ぎで開発されていて

それに関して調べ物を頼まれたり

X氏の業種のイメージアップのためのキャッチフレーズを考えたり

息子の件で相談し合ったり。

 

5月下旬は、某市の家のセコムの解約が私でないとできないとのことで

そのやり取りや手続きをしたり。

 

母の日は、X氏から山のような巨大な花束が届いたそうだ。

「姉亡き今、母の日にプレゼントを贈れる人物は私しかいない」と

くちなしの花を贈ったのだが、

まさかもうひとりも贈ってくださるとは。

父の日は、コロナ禍の配送の都合で少し遅れたそうだが

漬物ギフトが届いたとのこと。

 

「ウチはコロナは気にしないからどうぞ遊びに来て、姉に会いに来て」

「ありがとう、でもやっぱり……」のやり取りがずっと続いていた。