姉の死 vol.42

X氏はこの頃しょっちゅうウチの実家に来て下さるのだが

家族で話し合いをしなきゃいけない案件もいくつかあった。

 

まず、姉と元夫の縁を断ち切りたいという件。

あれだけ元夫に怯えていた姉の正式離婚をさせてあげられなかったと

X氏は悔いていたのだが、死んだ人間は離婚という形にはできない。

いろいろ調べた結果「婚姻関係終了届」というシステムを見つけた。

これによって遺産が減るとかそうした効力は一切なくて

縁切り宣言程度の、ある意味気休めなシステムだがこれに父とX氏は同意した。

 

この日から約一週間後に元夫から書類の捺印返送があって

後は市役所に出すだけ、となったのだが

X氏から「これのメリットデメリットを再確認で弁護士に相談するから

提出はちょっと待ってくれ」とストップがかかった。

そしてそのまま、いまだに私の手元に保管してある。

「あれだけ姉子が望んだもの」と言ってたのに、いいのかなあ。

私としては、出したところで大して意味のない書類だし

元夫が署名捺印して返送したことに意味があるから

もうこのまま出さなくてもいいかなとは思っている。

姉はどうして欲しいんだろうなあ、夢にでも出てきて教えてよ。

 

もうひとつ、姉は息子へお金を遺していた。

自分に何かあったら息子へ渡してくれとX氏に預けているらしい。

金額は、新車で国産車を買うのに足りるかどうか、

あんまり贅沢な車は買えないな、という金額。

姉の家族やウチの家族にとってはそれなりの大金だ。

 

両親と私は揃って「そのお金はX氏が受け取れ」というのが総意だが

X氏は、それは横領になるからできないと言う。

 

が、息子にその通帳を渡したとしても

それを引き出すのに姉の夫や息子の義理の兄(夫の連れ子)の承認がいる。

半分は姉の夫に持って行かれて、もう半分は夫の連れ子が

姉と養子縁組してるかどうかでどうなるか変わるようだ。

となると、姉の夫にお金が行ってしまうのは姉には不本意では?と意見が出る。

そして何より、たとえ半分の半分だとしても

今のあの子が数十万のお金をポンと手にした場合

あの子にとって良くない影響があるんじゃないか、という心配がある。

まだ若くてお金持ってなさそうだし、当時の甥(姉の子)は転職したばかり。

まとまったお金を手にしたら気が大きくなってまた転職したりするとか

今後の人生を変えてしまう可能性がある。

 

私としては、姉が息子へと託したお金なら

さっさと姉の子へ渡して欲しいなという気持ちがある。それが姉の望みだから。

たとえ元夫に半分持って行かれたとしても、それは向こうの家の話だし。

 

結局、この件はいまだに片付いていない。

今渡すのはあの子のために良くない」で保留になってるのか

それとも、高齢でボケた両親はもう忘れてるかもな。

実は後日、この口座のネットバンキングのPWをX氏は知ってるので

X氏の手でどうにかすることができるとチラッと聞いた。

ならもう、X氏が受け取っても全然構わないんだけどな。

つか、X氏が私たち家族のために遣ってくれたお金は

今後もこの調子だと、トータルするとその金額くらいいきそうだ。

 

※メモ

ゆかのBDの前日とそれをひっくり返した数

 

次回ウチの来訪は「クリスマスだから」ということで12月に決まった。

 

この日X氏を駅まで送った際も、駅前でお茶をした。

そこで、X氏がウチの息子の元を訪問してくださるという話になった。