姉の死 vol.16

車が発車するとすぐ、X氏はある提案をしてきた。

姉の夫に会って話をしたいという。

正直私は反対だ、彼らが会う必要性を感じなかった。

X氏は「お姉さんの旦那さんってどんな人ですか?」と訊いてきた。

どんな人、どんな人、うーん。なんて言おうか。

で、これに対しての私の返事は「建設的な話し合いのできない人です」。

まあ遠回しに断った感じで。

 

この返事の一言が、秘書(と思ってたけど違うんだけどね)さんにとっての

私の心象を決定づけるものになったらしい。

後から聞いたことだが、秘書(と思ってた)さんはこの私の発言に

シンパシーを感じてくださったとのこと。

文章や言葉に対して非常にこだわりの強い秘書さん(じゃないけど)は

食事の後私が席を外した時「あんな形容詞を使う女性で驚いた、頭の良い人だ」と

言ってくださったそうな。

この後、全く同じ感想を、私もこの秘書(ではない)に対して感じることになる。

 

秘書じゃない秘書じゃない書いても申し訳ないな、

この方はX氏の幼馴染であり腹心の部下?であり

前職が葬儀社で葬儀コーディネーター1級の資格を持つ、仮名Pさんとしよう。

 

車は一路西、某市へ向かう。

道中は主にX氏のお仕事の話とか聞いてた。

 

車を30~40分くらい走らせたところで昼食を取ることになった。

しまった、さっきカツ丼食べるんじゃなかったなあ。