率直な感想「演劇の舞台だな」と。
演劇をロクに知らない素人からすると
一癖二癖ある人々が叫んだり怒鳴ったり、時々意味がわからなかったり。
そりゃまあ品行方正な人が規則正しく生活してボソボソ喋るんじゃ演劇作れないし
まあ、演劇の舞台ってこんなもんだなー、と。
人の怒鳴り声が苦手な私にはちょっときつい。
話自体はある程度まとめられる話なんだけど
登場人物が身の上話とかの自分語りをしてみたり
なんだかわからないけど哲学的なことを演説してみたり
そうやって話を広げて伸ばしてる、みたいな。
ただ、先日DVDを買った某芝居のように
わざとわけわからない内容にして
「わけわからないことを楽しむ」というタイプの舞台じゃないだけ良かった。
きちんとストーリーはあった。
ストーリーはあったけれども、ラストなんて特に「舞台っぽいラスト」。
あのラストを映画でやったら「一体何の冗談ですか?」状態だよな。
そういうわけで、演劇の舞台としては、良作だろう。
自分がこれを好きか、8500円払ってもう一度見るか、もしDVDがあれば買うか?
更に言えば、哲さんが出てなくてもこれを見るか?となると
さてどうでしょう。
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一番印象的だったのが、麦さんの鍛え上げられたふくらはぎ。
あのふくらはぎを持つ人を他に知っている。
かつてのマスターズ水泳のチームメイトで、元国体選手の女性。
バリバリのアスリートのふくらはぎと、麦さんのふくらはぎが同じ形。
そしてドレス姿から見える美しい肌、背中も腕もシミひとつ無い。
女優さんってスゲーな、プロとして体を作り上げてるのか。
あのふくらはぎを作るには相当な筋トレが必要だろう。
お肌に身体に、プロ意識が宿っている。
哲さん。
今回は非常にビジュアルが良い。
哲さんもだけど、衣装を選んだスタイリストさん?の手腕が凄い。
田中哲司という俳優を一番素敵に見せる衣装というものを
よくわかっていらっしゃる。
ビジュアルが良いため、とりあえず素敵な哲さんを見てるだけで満足。
お芝居の方は「やりづらい」「まだ掴めない」と仰ってたのがわかるなあ、
派手でない、相当難しいお芝居だとわかる。
でもしっかりとマルセルを自分のものにされてた。
南朋さんは間近で見るとお父様にそっくりだね。
つい最近お父様を見たので尚更そう思う。
星新一の短編と、男塾の映画も出てたっけな、お父様。
舞台を観るのに、何を目的にするかは見る人の自由だ。
何かしらのメッセージを受け取る人もいれば、そうでない人もいて。
数万円の交通費や宿泊費をかけてはるばる観に来る目的が
「哲さんを生で見て、同じ空間にいたい」でもいいじゃないか。
例えばメッセージとやらを無理くりひり出したり作り上げなくても
「哲さんカッコ良かったわウフフ眼福」でいいじゃないか。
だって、本気で舞台の感想をうんうん考え込むと
近松の時みたいになっちゃいそうでなあ……。
あの時は何日経っても文句書いてたような。
今回の舞台は、極力情報をシャットアウトして
まっさらな状態で場当たり的に舞台を楽しむことにしていた。
方々のレビューなどをこれから読む。
読んだら私もまた一言二言始まるだろう。