姉の死 vol.30

姉が亡くなったと警察から電話があった。

死後11日目に遺体を引き取りに行き、事情聴取。

両親にも姉の家族にも内緒にしたまま

警察署を出たその足で火葬場へ直行し、荼毘に付した。

姉が亡くなったことはこれから一生隠し続ける。

でもいつかはバレる日が来る。

 普通に生きてたらこんな経験をすることはないだろう。

とんでもないことが起こり、とんでもない秘密を抱えて生きていくことになった。

私の生活は日常に戻ったが、心中は全然日常ではない。

そんな私をX氏は本当に心配してくださって

健康診断で引っかかったと言えば病院行け検査しろと言われ

X氏が海外出張に行く時は丁寧にスケジュールを知らせてくれて

「もし何かあったらP氏へ遠慮なく言え」と配慮してくれた。

 

X氏が一番心配していたのは、もし何かあった時に

姉の夫が私に危害を加えないかということだったと思う。

そっちはさほど心配ないと思うのだが、姉から夫のことをどう聞いてたんだろう。

その件についても私の安全を図り、後日手配してくれたことがある。

(その話はまた)

 

今回のことがバレるのは、おそらく姉の子が結婚する時か

パスポートを取得する時か、転職で戸籍謄本を求められた時だろうと考えていた。

だとすると数年後かなあと。

 

が、思ってたよりも早く、予想してなかったルートからバレることになる。

 

姉の遺体を引き取りに行ってからわずか1か月弱、2019年11月15日(金)の朝。

遅くまで寝ていた私の携帯の留守電に、母から今まで聞いたこともない

今にも死にそうな声で留守電メッセージが吹き込まれていた……。