文系人間に説明するには

私は、とにかく数学(算数)が苦手だった、

小学1年生の初っ端から苦手だった。

苦手と感じた瞬間を、今でもはっきりと覚えているほど。

 

文系科目は飛び切りよく出来たし暗記が得意で

理科もまあ興味がある部分はそれなりに出来たので

とにかく数学(算数含め)だけが足を引っ張っていた。

どうしてこんなに数学が出来ないんだろう、と何度も泣きそうにもなった。

授業中も、補習中も、自分がとても惨めだった。

数学さえなければ進学先も選択肢が増え、違う人生を送ったかもしれない。

 

数字に対して苦手意識があり、そもそも数字を理解するのが壊滅的なのもあるが

先日ネットでふらふら読み物をしていた時、突然気が付いた。

自分が数学が理解できなかった理由が、わかった気がする。

 

「Xー3=5」という数式があるとする。

Xの値を求めるには「X=〇〇〇~」の形にする。

この場合、「-3」を=の向こう側にやるためには

(正式な呼び名あるんだろうけど知らんw)

=の向こう側にやったら「-」を「+」にしろ、と習った。

「X=5+3」、つまりX=8だと。

この「=の向こう側にやったら-を+にしろ」というのは

何と書いたらいいかな、「自動的にそうするもの」として教わった。

理屈ではなく、「そうするもの」だと。

 

文系人間は、そこで躓くんだ。

「なぜそうするのか」を、言語化して説明してくれたら良かったのに。

 

例えば「Xってのは3を引いたら5になるものって意味で、

 ってことはXは5と3を合わせた数だよね、

 だからXを求めるには5と3を足すという計算になるんだよ

 だから数式にするとX=5+3ってことだから

 =の向こう側に3をやるなら-を+にするんだよ」

と説明してくれたら理解できるのだ。

 

理系人間からしたら「なんじゃそれ」だろうな。

そんなまだるっこしい説明聞いてられっか、って。

つかそれを頭の中でパパッと組み立てられるのが理系の人だろう。

でも文系人間は違う。

こうやって説明されたら理解出来るんだ。

この例はとても簡単な方程式だけど、これがもっと難しい

公式を当てはめるやつとかでも

「公式を覚えろ、そして当てはめろ」としか習ってないような。

その公式の意味から成り立ちを説明して

なぜ、どうやって当てはめれば答えを導き出せるのか

その理屈を言語化して欲しかった。

 

それにしても、数学ってのは楽しそうな学問だよなあ。

理解出来たら、または理解しようと突き詰めようと思ったら

とても楽しいんだろうなあ。

私には絶対無理だけど。

 

「自分は文系だから数学苦手でも仕方ない、

 得意なジャンルを活かせばいいんだ」って

子どもの頃に大人が教えてくれれば良かったのになと思う。

向き不向きはあるもので、私の場合それが余りに極端だった。

飛び抜けて得意な科目があったんだから、数学が出来ないくらい

(出来ないと言っても人並みよりちょい以下で

 通知表では3以外取ったことない、2とかじゃないだけマシだが)

人生において大した問題でも無かったんだがなあ。

 

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数学「だけ」が足を引っ張ってたと書いたけど

よく考えたら、図工(美術)も苦手だったなあ。

とにかく不器用だし絵心無いし、これも5段階の3以外取ったことない。

でも図工(美術)なんてまさに、能力による向き不向きは大きい。

不器用で工作が下手って、今にして思えばしょうがないじゃん。

音楽も好きではなかったし、成績も良くなかった。

そもそも興味無かったもんなあ、音楽という学問。

学問としてではなく楽器を演奏するとか歌うとかも興味ない。

「自分にとって向き不向きを確認するための科目」という存在意義があるとして

私にはどちらも不向きということは充分わかったけど

それで成績つけられるのは納得いかないよな。

 

あと、芸術科目で美術と音楽は小中学校必須だったけど

不思議と「演劇」って芸術科目は無かったよな。

それがあったら私、ぶっちぎりで得意科目だっただろう。