現代ではSNSやネットの発達で垣根が低くなってるのかもしれないけど
手紙で育った私は、私信の公開というのは絶対にNGな行為だと認識している。
しかもそれが、生死不明……生存が絶望視されている方の
ごくごくプライベートな、心の内を綴ったものならば尚更。
それも当事者ではなく身内とはいえ第三者の手で公開されるなんて。
書いたご本人も受け取る予定だった方も
まさか自分の亡き後(もちろん亡くなっていないと信じたいが)に
こんな形で全世界に晒されるとは思ってもみなかっただろう。
「こんな幸せが待っているはずだったのに」と世間に訴えたい
ご遺族の気持ちもわからなくもないが
でも、書いた本人の気持ちを一番に尊重すべきだったと思う。
これを公開すべきかどうか、公開したらどうなるか
書いた本人の立場でもっと深く考えて欲しかった。
……とは言いつつも、ネット上で見かけて読んでしまった私も同罪だがな。
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この件で思い出したけど、某市母子殺人事件の遺族の方の著書を持っている。
殺された奥様との手紙のやり取りを公開した本。
奥様からの手紙だけでなくご主人(著者)の手紙も載ってるんだけど
奥様からの手紙は友人名を一字一句伏字なしで悪口まで載せているのに対し
ご本人から奥様への手紙は、同僚の名前などは伏せられていて
ちょっとなんだかなー、と思った記憶が。
奥様が若き恋人に宛てた手紙は、活き活きと瑞々しい文体で
恋する少女の素直な気持ちが綴られていた。
なので公開したいと思った著者の気持ちはわかるが。
もう20年くらい前の話だからうろ覚えだけど
この本を出したことで犯人が著者を「ちょーしにのっちょる」とか批判して
それがきっかけで世論が動き、結果犯人の死刑判決が出たんだっけな。
そういう意味では本を出版して大正解だったのか。
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↑この事件で思い出した。
この事件が起こった頃、数年の間に狭いエリアで犯罪が多発した時期があった。
・未成年が近所の母子を殺す(上記の事件)
・高専生が同級生を殺した後、自殺
・高校生が爆弾を自作してどうのこうの
田舎なので凶悪事件は少ないのに、1~2年の間に田舎には珍しい事件が同市隣市で起こった。
私の住む街は↑上記エリアよりもガラが悪い地域なのだが
普通に生活する分には凶悪犯罪は起こらない。
なのに、十数年前、ほんの半年の間に
・看護師が入院中の夫を毒殺(未遂だったかは覚えてない)
・元嫁が元姑を殺す
・20代の娘さんがご両親を殺す
これだけの犯罪が半径2キロの狭ーーーーいエリアで半年の間に起こった。
凶悪犯罪が起こる時って連鎖するとか
何かしらの理由で重なって起りやすいとかあるんだろうか。