舞台の感想

まず結論。

 

「これまで観た舞台作品(ナマでなく映像で観たもの含む)の中で一番良かった」

 

大抵の舞台作品がそうであるように

クセのある登場人物がワーワー言ってるだけの話なんだけど

内容もまあまあ、そしてなんだか引き込まれた。

2時間超えという長丁場でありながら、時間が経つのを忘れたほど。

トイレの心配も無用だったw

 

今まで散々舞台っておもんないとか言ってた私が、これは気に入った。

一体どこにその理由があるんだろうとあれこれ考えて

「上品だから」という結論に達した。

 

元々がイタリアの演劇の翻訳もので、登場人物は3人とも

ある程度ハイソな身の上の人たちだからか

台詞も立ち居振る舞いも、品があるのよね。

舞台特有の泥臭さがほぼ無いため、見てる方もドロッとした気持ちにならず

心地良く観てられる、これは本当に大きい。

5月に観劇した作品とか、映像で観た工事現場やスナックが舞台のやつとか

底辺層の人間の泥臭さが前面に押し出された作品だったから

見てるこっちはドロッドロな気分になってしまったもんな。

それが無い、上品な作品。

 

翻訳ものだから日本の設定や台詞に直しても若干文学チックではあるのだが

私の学生時代の専攻は英米文学、この文学チックが非常に肌に合った。
(イタリア劇なので英でも米でもないけどw)

 

……なんてことを考えて昨日やっとパンフを読んだら

脚本演出のシライさんのインタビューの中に

何度も「品」「品性」というワードが出てきた。

そっか、やっぱり意識して品位を持たせてたんだ。

 

あと、コメディとシリアスの加減が絶妙だなと。

全体的にコメディではあるんだけど全然しつこくない、

名前のくだりとか独特のリアルネタをほんの僅かぶっこんでくる匙加減。

 

うっかり気を抜いてしまうと何言ってたのかわかんなくなった箇所があるけど

正直、喋ってる内容を聞き逃した箇所があっても話が成立する、これは有難い。

実は先月観たミュージカル、途中で理解することを止めたら

話の内容自体が全然わかんなくなっちゃったもんなー。

 

舞台劇だけでなくテレビドラマでも映画でも

散々「熱演」という言葉が安売りされているけれど

本当の「熱演」ってのは、この劇の役者さんへ向ける言葉だよな。

途中で役者さんたち大丈夫か、ぶっ倒れないかって心配になるもんな。

 

今回、元々は日曜昼だけ観て弾丸日帰りのつもりだった。

チケット取った後になって土曜夜にポストトークがあることを知り

また、13時開演だと朝早くに出発しなきゃならないので

だったら前泊しよう、前泊するなら土曜夜も観ちゃえとチケットを取った。

土曜夜分は争奪戦に出遅れてしまったため劇場会員に入会し

会員先行(座席指定)で残ってる席を選んだ。

後方の一番端にするか、2階最前列ド真ん中にするか迷って

ヤフー知恵袋でどっちがステージに近いか聞いてまでw

結局、1階後方見切れ席を選び、倍率10倍のオペラグラスを新調して挑んだ。

見切れ席とはいえ1階で正解だったなー。

私の真横の通路を通るシライさんに遭遇できたし

トイレのついでに2階席に入って見渡してみたけど、ステージは遠かった。

 

日曜昼の席は、某プレイガイドプレミアム会員先行。

そこそこ前列の下手側ブロックの端(通路の真横)で

最初に席次を知った時はなんでプレミアム会員なのに最前じゃないの?って思ったけど

この席、マジで神席だった。

何しろ通路真横、トールさんがまさかの(以下省略)

それにこの会場、5~6列目くらいまでは傾斜が無いため

中途半端に4列目とかだったりすると前の人の頭で見づらかったみたい。

 

頑張って早起きして土曜朝も観れば良かったなあー。

なんなら当日券もあったっぽいし、あー惜しいことをした。

 

……と、取り急ぎ舞台の感想を走り書き。

ポストトークについてはまたそのうち。