映画の世界観、メッセージ

そんなこんなで、「ビューティフルドリーマーシネスケのレビューを見てみた。

やはり、ずらりと並ぶ「押井守の世界観」という語句。

その世界観の一体どこがどう素晴らしいのか、皆さんのレビューを全部読んだところ

具体的に何が良いか、例えばどのシーンがどう工夫されているかなど

ようやく知ることができた。

私がボーッと見過ごしたシーンでも何らかのメッセージを含んでるような

いろんな意図があるんだな。

 

ただ、絶賛レビューに混じって「後半の失速が残念」という意見や

「そこまで傑作扱いされるのがなぜかわからん」というレビューもあったので

ああ私だけじゃなかったんだと安心した。

 

当たり前だけど、映画ってのは受け取り手次第で感想が変わる。

受け取るメッセージも変わる。

 

クリエイター系の活動をなさってるシネスケコメテさんとお会いした時

お客さんが、彼の意図しないメッセージを自分で作り上げて受け取ってることがある

という話を聞いた。

あるかもなあ、ある種の「メッセージ」というものを求めて

作品を見に来るお客さんもいるだろうし

中には心酔するあまり、勝手に?メッセージとやらを作り上げて

受け取った気になるという人もいるのかもしれない。

 

また別のコメテさんとの話。

お若い頃、アマチュア(多分学生時代のサークルとか?)で映画製作の経験がある方。

ある映画を見て、監督が伝えたいメッセージはこれだろうと思っていて

後日監督のインタビューを読んだらその通りで

自分の映画の見方は間違ってなかったんだ、と話された。

 

うーん、「映画の見方」なんて正しいも間違ってるもあるのかな、と私は思った。

受け取る側が何を受け取ろうがそれは受け取り手の自由であって

それがもし監督の意図しないことであっても、間違ってると言われる筋合いはない。

もし監督が皆に伝えたいメッセージを作品の中に込めているのであれば

万人にそれが伝わるよう、伝え方を考えて工夫するのは監督の方だ。

見る側が「正しく」受け取る義務は無い。

 

多分、彼は「作る側」の目線で映画を見るので、監督の意図を汲み取ろうとする。

私は作る側の事情なんて無関係で一観客として映画を見て

それで何を思うか、何を受け取るかは自分の勝手だと思っている。

単に目線の違い、映画を観ることにおいての考え方の違いだけ。

 

ビューティフルドリーマー」に関しては、思い入れとか思い出補正とか

そこらへんの思いが大きいような気がする。

思い出補正の話はまた。