昼食を終え、車は某市警察署へ向かった。
そういや書いてなかったな、なぜ私の元へ刑事さんから連絡が来たのか。
姉の死亡当日、家に帰ったX氏は姉が倒れてるのを発見。
傍には遺書があった。
大慌てで救急車を呼んだところ、5分くらいで救急車と警察が到着し
姉の遺体も遺書もあっという間に持って行った。
その後のことは、X氏と姉に血縁関係も婚姻関係も無いため
警察は情報提供一切をシャットアウトした。
X氏は姉から、夫からDVを受けていたと話していたようだ。
そのためX氏は姉と知り合った当初、警察や弁護士や女性センター?など
いろんな機関でいろんな手配をし、元夫が出した捜索願を取り下げたりと
姉のために尽力をしたらしい。
また姉は、父にもDVを受けたため実家に頼れないということにしたらしい。
夫にしろ父にしろDVはデッチ上げなんだろうけど、それで女性は守られるのね。
まあ、嘘をついてでもX氏と一緒に居たかった姉の気持ちは理解できるし
夫にしろ父にしろ、私の知らないところで何があったのかはわからないし。
(まあ父に関しては、私からモノ申したいことはあるけど)
家に帰れない、実家も頼れない姉のことをX氏はずっと守り続けてきたようだ。
「山口県」とテレビで出ただけでも姉が震えていたとX氏は語った。
そうだっけな、確か姉からのメールには
「ニュースで山口県が出て懐かしい気持ちで見たよ」ってあったし
X氏と出会った直後くらいに一度山口県に来て私と会ってるんだがな。
ちなみに7年前、私がここに来た時姉と会ったことも
姉はX氏に内緒にしていたらしい。
だろうと思った。なので、その前に山口で会ったことはX氏に黙っておこう。
まあ、姉が身を守るために嘘をついていたのは仕方がないし
そもそもどこまでが嘘なのか私には知る由もないし
大体、X氏だって100%本当のことばかり言ってるとは限らない。
さて、そんな事情で警察は夫や私の親のところへは連絡できない。
(女性シェルター?とかそういう面で守られるようだ)
X氏は赤の他人であるため情報提供すら一切できない。
X氏は以前から、何かあったら妹へ連絡してくれと姉に言われて
昔、私の電話番号を携帯に登録していたのだが
携帯が壊れた際、私の番号がわからなくなったらしい。
姉のスマホは警察もロック解除ができなかったと。
それで手の打ちようがなく数日が過ぎたのだが
X氏が姉の古いガラケーを見つけ電源を入れて私の電話番号を見つけ出した。
そして刑事さんへ、妹の元へ連絡してくれと頼んだ。
これが2019年10月15日のことだったと思う。
X氏にとっては、7年間夫婦同然で暮らしてきたのに
倒れてる姉を救急車があっという間に持ち去って以来
警察からは「何もお知らせできません」で突っぱねられるだけ。
さぞおつらい数日を過ごされたことだろう。
X氏がわかっていることは、この日までの11日間
姉は警察署の冷蔵庫に入れられてる、ただそれだけだった。