「山陰の小京都」と呼ばれる、島根県津和野町。
観光地なので映画やドラマなど時折舞台として登場する、小さな町。
幼少期を過ごした町なので、出てくると懐かしくじっくり見てしまう。
kindle unlimitedでフラフラと読み物をしていて
ふと読み始めたエロ漫画(劇画になるのか?よくわからんが)。
70年代に描かれたものである。
てことは私が住んでた頃の津和野だ。
主人公は京都から西へ、津和野を目指して車を走らせる。
車は島根に入り、ふむふむ……と読み進めるも
なんか標識がおかしい。方向が変だ。
どこを通ってるんだろう?山道?とも思ったが作中に「国道9号線」と出てくる。
はて?9号線を東から西に走ると山口と益田がこんな方角にはならないんだが。
しかも「島根」ってなんやねん?その先の矢印もおかしいよな?
まあそれ以前に、国道9号線はこんなにキレイな道路じゃないけどな。
これじゃまるで高速道路じゃん。
この当時、島根に高速道路は無かったはず。
やっぱりおかしい。どっち向いたらこんな標識になるのか。
話が進むと、益田でゴーカンしたJKを浜田で車から降ろしたりと
地理感がめちゃめちゃ。
まあ、所詮マンガだし田舎の地理や地名なんて誰も気にしないのか。
そして暴走族とカーチェイスをしながら
そもそも、いくら30年以上前の田舎でも国道の道端にこんな看板無いのだが
それは置いといて。
「山口まで4キロ」って、津和野を通り過ぎとるやん!!!!!
もしかして作者、津和野は山口県だと思ってるのか?
話は、暴走族とのトラブルやゴーカン罪で島根県警に追われているが
山口県に入ってしまえばもう県警は管轄外だよ、という流れ。
そして主人公は安心して津和野へ入る、と。
……やっぱり作者、津和野は山口県だと思ってるような。
作者はしっかり現地を取材したようで
「端から端までゆっくり時間をかけて~」とある。
確かに、街並みはきちんと描かれており
ふとしたコマで出てくるこの景色が、私でもどの道なのかわかるほど
忠実に再現されている。
上のコマにも「周囲137キロの小さな城下町」と書かれているし
このコマにも「人口1万人にも足らない城下町」とある。
なのに、それなのに。
「市役所」じゃねえだろおぉぉぉぉぉーーーーーー!!
なんで人口1万に満たないのに「市」なんだよ!!!!
これが一番ウケたわ。
作者の中では「山口県津和野市」なんかなあ。
正しくは「島根県鹿足郡津和野町」だ。
平成の大合併以降も、現在もまだ町として残っている。
現代ならともかく、40年以上前だと検証なんてしないんだろうね。
まあ私だって、例えば漫画の主人公が新潟から平泉に移動するとして
行ったことがない北陸や東北の町名が間違ってたとしても気づかないし。
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ちなみにこの漫画は「ダビデなんちゃら」というタイトルだったか
サイコパス(という言葉は当時無かった)の19歳くらいの男が
片っ端から女性をゴーカンサツジンする物語。
話自体はどうでもいいけど、作中に出てくるご婦人方が
女子高生も含め、言葉遣いがとても丁寧なのが印象的。
「わたくし……なんですの」「そうなのかしら」みたいな言葉遣いって
今見ると上品で好感持てるなあ。
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読み返して気づいた。
「周囲137キロ」じゃないよ、「周囲13.7キロ」だよ!
端から端まで数キロしかない、本当に小さな町。