妖界ナビ・ルナ シリーズ/池田美代子

ダリ之助は、本を読まない。活字中毒な親がいろいろ勧めてもほとんど興味を示さなかった。見て楽しめる絵本はそこそこ見ているようだが、いわゆる児童小説には見向きもしなかった。

そんな彼が、初めてハマったのがこの「妖界ナビ・ルナ」シリーズ。

ハマったなんてもんじゃない。第1巻を読み終わった翌日には、現在刊行されている8巻まで買い揃えることになり、私が外で遊べと言っても聞かずに読みふけっていた。9月20頃第9巻が発売されるとのことで、ずっと心待ちにしている様子。

孤児院に捨てられていた少女・ルナは、小学4年になる直前、首の後ろの「第3の目」が開眼する。実はルナは、妖怪と人間のハーフだった。以来、人間界にいる妖怪を彼らが住むのに相応しい場所、「妖界」へと導く任務を遂行することになった・・・というお話。はてなキーワードになってるくらいだから、かなり売れているのだろう。

正直、大人が読む分には物足りないというか、甘いというか、子供騙しだなと思う。しかし、子どもが児童文学に触れるきっかけになるには充分。わずか180ページ程度の薄い本の中に、様々な登場人物が住む無限の世界が広がっていることを知り、頭に描き出すということが出来る。ダリ坊もこの本をきっかけに、読書の楽しさに気づいてくれると良いけれど。