2月の終わりからエアポケットに陥ってしまい、随分と私らしくない日々を送っていた。

映画も先月『クイール』を観てから1ヶ月以上、1本も観ずにいた。1ヶ月以上というのは今までの私には無かったことだ。忙しくて観る時間が無かったのではない。相変わらず図書館に行けばビデオを数本借りて帰るし、BS放映も録画していた。でも観ないままにビデオを返却し、録画も観れずにいた。

我ながら物凄くくだらないと思うのだが、どうも映画に対して、的外れな八つ当たりをしていたように思える。八つ当たりと言っても何に対しての八つ当たりという訳ではないのだが、意識的に観ないようにしていたかもしれない。何て言っていいのか判らないけれど、映画を観るのが怖かったのかもしれない。

CinemaScapeも時折覗いていたけれど、私はもうコメントを書けないなぁと漠然と思っていた。

そんな時、『ほたるの星』の招待券を戴いた。
正直な所、この作品に興味無かったし、それ以上にとてもじゃないけど映画観る気分じゃなかったのだが、折角映画好きな私のためにと券を下さった友人に対し「観ませんでした」では申し訳ない。重い腰を上げて久しぶりに劇場に赴いた。

久しぶりと言ってもたったの1ヶ月なのだが、去年の秋からしょっちゅう通っていたので随分長い間来なかったように感じた。

劇場は、温かだった。

こんな言い方するのは馬鹿馬鹿しいかもしれないけれど、こんな私でも劇場は温かく迎えてくれたような錯覚に陥った。

相変わらずガラガラな場内のシートに腰を沈めると、「私今まで何やってたんだろうなぁ」と情けないやら哀しいやら、反面安心したような、複雑な気持ちになってポロポロ泣けてきた。

映画を観終わり家に帰ると、「一言もの申す!これだけは言わせてくれ!私に語らせてくれ!語らせるんだコノヤロー!」と、自然にCinemaScapeを開いた。

ああ、私ホントにこの1ヵ月半、何やってたんだろー。

励ましメールを下さった方へ。

本当にありがとうございました。やっと気付きました。ホント、映画を観ることをやめちゃいけない。いろんな意味で、無理しないことにします。