へバーデン結節と女性ホルモン

2年前の今頃だっただろうか、両手の指の第一関節に違和感を覚えた。

むくんでる感じ?腫れてる感じ?第一関節が動かしにくくてうまく曲がらない。

 

ネットで調べてみると「へバーデン結節」という単語が目に入った。

諸説あるけど女性ホルモンが減ってくる中年女性に起りやすい疾患で

リュウマチに似てるけど厳密には違うらしい。

日頃から指先を酷使する人は特に起こりやすいそう。

うーん、私は裁縫とかはしないけど20年前から毎日PCのキーボード叩き続けてるから

それが良くなかったのかなあ。

「太めの女性に起りやすい」という一文があり、心当たりがありすぎて泣きそう。

 

整形外科に行ってみた。

あれこれ検査した結果「へバーデン結節です」と診断が下る。

 

でも、まだ初期の段階だ。

こんな初期に気づいたんだから、早めに治す方法は無いものか。

 

整形外科医は非情にも「無い」と言い放つ。

しかも「指が曲がりきってしまえば痛みは治まりますよ」なんてヒドいことを。

曲がりきってしまうというのは末期症状であり、解決にならない。

 

トボトボと整形外科を後にした私は、少ない脳みそをフル回転して考えた。

 

「女性ホルモンが減ることで起こるのなら、女性ホルモンを注入すれば良いのでは?」

 

そして、産婦人科を訪れた。

事情を説明し、女性ホルモン投与でへバーデン結節を治せないか、

もしくは進行を遅らせられないかと相談した。

 

産婦人科医は「ホルモン投与したところでへバーデンが治るとは限らない」

と前置きしたうえで、とりあえず私のホルモン値を計ることになった。

 

数日後、検査結果が出て、産婦人科医がこう告げた。

 

「女性ホルモンは減ってません、あなたは更年期の入口にやっと立ったとこ」

 

これは別の意味でショックだったな。

だってこれまで、のぼせたり動機がしたりという不調は

「きっと更年期障害だから仕方ない」で片付けてたのに

更年期障害じゃないとすると、間違いなくパニック障害なわけで。

「あとほんの数年、更年期障害が終わればパラダイス!」って思ってたのに

あとほんの数年どころじゃない、むしろ本番はこれからってことじゃん……。

 

というわけでホルモン値正常な私は医師から処方してもらえることもなく

「気になるなら命の母でも買ってみたらどうですか」なんて言われた。

そりゃまあ、へバーデン結節を治すのは産婦人科医の仕事じゃないし。

 

ウチの生活圏に「ペインクリニック」という医院がある。

これまで気に留めたこともなかったのだが

今後進行してきたらここのお世話になるんだろうなと考えながら

仕事中は指をテーピングでグルグル巻きにするとか

(まああまりに不自由過ぎて2~3日で止めたけど)

治すため、進行を遅らせるための手段を模索した。

 

民間療法?一応医師が出してるのかな?

へバーデン結節を治す方法として、指先や手首の骨を

爪でぎゅうぎゅう押してマッサージすると治ると謳われる本を買った。

気休め程度に仕事中とかやってみたけど

爪痕が手の甲や手首にシミになって残るのがなんだかなーとか

面倒だったこともあり、徐々にやらなくなった。

 

……そんな日々を過ごして、発症から1年くらい経ち、ふと気づいた。

 

指、痛くない……。もしかして治ってないか????

 

曲がらなかった指が曲がるし、痛みも感じない。

むくんでる感じもしない。

 

治る病気ではなかったはずなんだが。

治るとしたら、女性ホルモンが減らずに増えたとかあるんだろうか?

しかしこの年齢で女性ホルモンが増えるか?

 

思い当たる節はひとつしかない、本当にこれしかない。

 

「哲さんに惚れて惚れて惚れまくって、女性ホルモンが噴き出した」

 

いやホントこれしか思い当たらないんだよ。

生活は他に何も変わってない、唯一、哲さんに惚れてときめいてるだけだ。

 

愛のパワーって凄いよな。治らないはずの病気を治すなんてびっくりだよ。

「そういうことにしておこう」ってプラセボ効果であったとしても

治ったのなら有難いことだ。

ありがとう哲さん。

 

……ってことは、これから先も好きでい続けなきゃいけないな……。