あの匂いをもう一度

以前この日記で、販売中止になった香水をヤフオクで見つけて久しぶりに匂ったら当時の思い出ががーーっと甦ったという話を書いたが(id:dahlie:20051027#p2)、私にはもうひとつ、匂ってみたい懐かしい香りというものがある。死ぬ前にもう一度あれを嗅いで思い出に浸りたい。

それは、大昔にちょっとだけ販売されていた、「ジョナ」というシャンプーの香り。「♪植物派のージョナー♪」という歌と共に当時はよくCMが流れていた。今ネットで調べてみたら、メーカーはライオンだったようだ。

中学2年だったか3年だったか、友達の間で、家族兼用シャンプーとは別に自分用にちょっとだけハイランクなシャンプーを買って使うことが流行った。今にして思えば当時の中坊女子なんて右を向いても左を向いても短めウルフカットばかりだったし、そもそも中学生なんて髪の潤いは充分過ぎるほど足りてるんだからどんなシャンプー使ったって大差ないと思うのだが、そこは色気づき始めたお年頃だったんだろう。

私はビンボーだったので自分用のシャンプーなんて買う余裕無かったのだが、一度だけ清水の舞台から飛び降りる気持ちで、なけなしの小遣いをはたいてジョナシャンプー&リンスを買った。一般家庭に置いてある普及品タイプのシャンプーの1.5倍か2倍くらいの値段だっただろうか。自分が凄く大人になったような気がした。

キラキラと輝くような透明で薄いハチミツ色のシャンプーは、手に垂らすと当時では珍しい、上品なハーブの香りがした。リッチで大人の香りが自分を包み込む。泡立ちは普及品のそれよりも悪く、洗い上がりもちょっとギシギシするような感じがしたのだが、それすらも高級っぽい思っていた。

お金が無かったのでジョナを買ったのはこれ一度きり。以来あの匂いを嗅がないまま、いつの間にか発売中止になってしまった植物派のジョナ。もう一度あの匂いに包まれて、オシャレに心ときめかせたあの頃を思い出したい。でもさすがにヤフオクにももう無いんだよなー。