受験対策

世間は受験シーズン。
この季節になると思い出す、高校時代の授業について。

私が通った高校は普通科で、(大抵普通科はそうだと思うが)社会科は世界史、日本史、地理から1つ選択して3年間必須で取り、文系は更に3年生になってからオマケみたいな形でもう1教科選択するシステムになっていた。
私は入学時、興味のある地理を選択してそれをメインで学び、3年生になってからのオマケで日本史を選択していた。

3年の夏くらいだったと思う。本格的な受験に向けて、先生からアドバイスがあった。

「地理は範囲が広すぎて受験に不利だから、入試は絶対に地理で受けてはならない。日本史か世界史で受けろ」と。

言われる事はごもっともなのだが、どうも納得がいかなかった。それなら、2年間学んできた地理は何だったのかと。大学で地理を専攻する人はどうするんだと。更に言えば、3年の夏に急にそんな命令するくらいなら、入学時選択の際に「地理で受験はさせないから、日本史か世界史を取れ。どうしてもという覚悟がある者だけ地理を選択しろ」と言ってしまう方が親切なのではないだろうか。

私は推薦入試(面接と小論文のみ)だったので社会科での受験に無縁だったが、地理を専攻した殆どの者がやっつけ日本史(or世界史)で入試を受けたらしい。それでいいんだろうか。

もうひとつ、理科では。
大抵の普通高校はそうだと思うが、私の高校では理科は生物、化学、物理、地学を2年間で必須で学び、3年で理系や国立を目指す者がそれぞれの教科を選択するシステムになっていた。
当然、3年生でも物理を学ぶ者もいたのだが、これも先生から命令が下ったらしい。

「我が校は女子高で物理の授業のレベルが低く、他進学校の生徒には敵わないので、受験は全員生物で受けるように」と。

だったら今物理を選択してる人、大学でも専攻したい人は何なんだー!
ってゆーか、レベルが低いから受けるなという前に、授業のレベルを上げればいいんじゃないか?(←しかしそうなると、物理苦手だった私は絶対ついていけなかったんだろうけど・・・)

今更こんなところで済んだ事を吠えても仕方が無いし、目標を受験に絞って、志望校に合格させようとそう言ってるのは判る。でも、受験対策のために、学問の本質を見失ってるんじゃないかと思った18歳の冬。