映画館の思ひ出 その5

「思ひ出」というより現在の話なのだが。

平日ファーストショーで劇場に行くと、一人のお爺さんをよくお見かけするようになった。
初めてお爺さんに気付いたのは去年の秋だったと思う。一番前の席に座り、予告編でメモをとっておられ、エンドロールが終わるまで席を立たないお爺さんの姿が目に入った。予告編のメモをとられるなんて、よほど映画がお好きなんだろうなと印象に残った。
平日の午前中はいつもガラガラに空いているせいか、再度お爺さんをお見かけした時もすぐに「あ、あの時のメモお爺さんだ」とすぐに気がついた。その後もメモお爺さんと一緒に映画を観た(?)こと2回(相変わらず予告編はメモをとっていらっしゃる。そしてエンドロールは最後まで観ておられる。さすがだ)、同じ映画ではなかったがロビーでお姿を拝見すること2回。しょっちゅう劇場に通っておられるのだろう。

きっと、何十年も前からずっとずっと映画を愛していらっしゃるんだろうな。映画が好きで好きで、もしかしたら少ない年金の中からご自分の自由になるお金は全て映画に費やして、それでも観ずにはいられない映画の虜になっていらっしゃるに違いない・・・と勝手な妄想を膨らませる(お爺さんゴメンね)。きっと物凄い数の映画を観ておられることだろう。CinemaScapeにお誘いしたいくらいだ。
いつまでもメモお爺さんがお元気で映画を楽しんで下さいますように。