少女漫画レビュー

金色のコルダ』 / 呉由紀 ・・・☆3

 

平凡な女子高生が音楽の妖精から魔法のバイオリンを授けられた、という話。

ゲームを漫画化したものらしい。

 

まず、主人公モテモテ設定ってのは相変わらずだなー。

話の構成上、バイオリンの天才の彼とピアノの彼とフルートの先輩までならわかるが

チェロの後輩にもモテてる描写(彼の姉がけしかけてたっぽい)があるし

何より、途中から出てきた主人公大好き男は全く不要。

新しいキャラ出せと編集に命令でもされたんだろうか?

 

編集に命令といえば、どうでもいい運動会のドタバタが入る辺り。

紅茶王子』や『カレカノ』もそうだったけど、無駄に運動会やら文化祭があるのは

それらの行事を入れて読者の共感を得ろというLaLa編集部の指示なのかねえ。

 

さて、この作品は過去に読んだことがあった。

冒頭で「ああまたこれ借りちゃった」と思ったのと同時に

確か、主人公は途中で魔法のバイオリンを辞めて

普通のバイオリンでチャレンジし直す

……って話だったっけなと思って読み進めると、違った。

魔法のバイオリンは壊れちゃったので仕方なく普通のバイオリンで出直していた。

 

あれ?魔法のバイオリンは自分には分不相応だと普通のバイオリンにしたって

他の漫画だったっけ、じゃあ何だったかなーと記憶の糸をたくってみると

そうそう、河惣益巳の『玄椿』のタロちゃんがそうだったんだ。

天狗から(だっけ?)魔法(霊力?)のある笛を授けられたけれど

自分はきちんと努力するからとその笛ではなく普通の笛を吹き始めた、という描写。

 

河惣益巳は、やっぱストーリーテラーとして凄いなと改めて思った。