漫画レビュー

『ラストノーツ』/桜小路かのこ ・・・☆3

 

あれ、てっきり『BLACKBIRD』より前に描かれた作品だと思ってたら後なのか!?

あの作品より後となると評価ちょっと下がるかな、☆2.5~3。

 

まあ、内容自体は夢物語というか「ねーよw」のオンパレードなんだけど

ここにレビュー書こうと思った理由が、主人公の描写。

 

主人公は身長152センチ(153だったかも)、田舎育ちだけど美少女設定で

可愛い転入生だとざわつかれ告白されまくり、

街を歩けばナンパやスカウトうじゃうじゃ……という設定である。

そして同居人であるイケメン2人からも愛されるというよくあるパターン。

 

この漫画に限らないけど、「主人公が美少女」というのが平成漫画の特徴だなと思う。

昭和だと大抵平均顔だったり、ヘチャムクレなドジっ子が主人公の主流だった。

読者が感情移入する、自己投影するキャラとして「美少女」が求められてるんだな。

そしてもうひとつ「髪サラサラ」。これも平成主人公の必須条件。

昭和は天パな主人公が多かったもんだが、今にして思うと

くせっ毛とか天パとか、そっちの方が現実には少ないよな。

 

そういや明らかに美少女でなくても

「暗そうで不気味だけど実は美少女でした」も平成主人公あるあるだな。

確か『ヤマトナデシコ七変化』や『君に届け』とかそうだった。

 

で、思うのが

「必ずしも超絶美少女である必要はないのに美少女設定」であるということ。

例えばこのラストノーツも、スカウトされまくる美少女でなくても話は成立する。

それなのに超美少女にするのは、そうしなきゃ読者が自己投影しないから

人気が出ない、売れないと思われてるのかな。

 

一条ゆかりの『プライド』という作品、

主人公(シオ)がお金持ちの美女でライバル(モエ)が貧乏な普通の子というもので

作者がインタビューで

「昔だったら読者はモエに感情移入したが今の読者はシオに共感する、

 今の読者は図々しい」と言っていた。

図々しいかどうかはともかく、読者から共感を得られるのは美女なんだろう。

ちなみに昭和育ちの私は、シオが大嫌いでモエを応援しながら読んだ。